船学の動画サイトがOPEN!

船内作業で起きる体の不調

体に激痛が走る『腰痛や結石』など病気の話です。

皆さんは手が痺れるほどジェットチセルを使って錆打ち作業をしたことがありますか?錆だらけのバラ積船では数時間もの間ジェットチセルで錆打ちをやり続けることもあります。久しぶりに長時間の錆打ち作業をすると止めた後も手に痺れが残った感覚になります。こんなときは要注意です。振動の強い工具で作業する人の職業病に「白蝋病」という病気があります。

オートレーサーも長時間ハンドルを握っているため、バイクの振動によってこの白蝋病になることがあります。この病気は振動により運動神経に障害が生じて慢性の痺れや握力の低下を生じます。従って、甲板部員が数日間連続で錆打ち作業を行う場合は、白蝋病防止のために防振手袋を着用して錆打ち作業をする必要があります。

手の痺れよりも深刻な「体の不調」は腰痛です。ときどき持病の腰痛に悩まされる人がいます。また、船内作業で重いものを持ったときや何気なく無理な姿勢になったときにぎっくり腰になる人もいます。こんなときに役立つ道具がコルセット(Corset)です。医務用品としてコルセットを積んでいる船もありますが、皆さんの船にもコルセットを積んでいますか?もちろんコルセットは医務用であり、腰痛時に使用します。ある船で乗組員がぎっくり腰になり、腰痛で困っていたときに、船にコルセットが無かったのですが、たまたま乗組員の一人が持病の腰痛もちで、その人のマイコルセットを借りて助かったことがあります。

腰痛よりもさらに深刻な病気が「結石」です。稀にですが胆石や尿路結石等の結石で激痛を訴える人がいます。結石は無症状のときもあるそうですが、場合によっては炎症や激痛を伴います。その痛みは半端ではなく、痛風同様に脂汗が額から出てくるほどの痛さで、実際に経験した人でないとその痛みはわからないのでしょう。結石の治療法には薬剤による溶解か、超音波による粉砕か、手術による摘出のどれかになります。石の成分は丁度歯石と同じで、排出物が固まって徐々に大きくなっていきます。どのような体質の人が結石になり易いのか詳しく知りませんが、結石を体内で作らない具体的な予防策があれば知りたいものです。

ところで、ある船舶管理会社では乗組員への軍手の支給数が少ないといわれ続けていますが、その支給数は一向に増えません。その会社では外国人乗組員に毎月6双の軍手を支給しています。船種や部署により、軍手の使用頻度や消耗度が大きく異なるのは周知の事実です。

甲板部で言えば、軍手の消耗度をタンカーとコンテナ船で比べると圧倒的にタンカーのほうが多いはずです。タンカーで油作業をすると軍手に油がべったりとついて、洗濯でもしない限り再使用できません。機関部でも油作業の多いディーゼル船とタービン船を比較すれば、圧倒的にディーゼル船のほうが消耗数が多いはずです。

管理会社によって軍手の支給数に差があるのかどうか知りませんが、消耗度がこれだけ違うことを考えると、6双/月では明らかに少な過ぎます。実際に、船用品で軍手を注文している船もありました。安全運航維持を最重要目標に掲げるならば、乗組員が使用する軍手の支給数はもう少し多くても良いと思います。但し、数量を増やすと言っても、話はそう簡単ではありません。対象船員数が何千人にもなると一人あたり100円の予算アップでも毎月何十万円、年間にすると何百万円という多額の経費がかかるのです。

この記事が役に立ったら、お気に入りに登録できます。
お気に入り記事はマイページから確認できます。