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ヘルメットのインナーにも耐用期間があります

安全に対する知識や心構え、いわゆる『安全意識』の話です。

日本人船員の安全に対する意識レベルは世界に誇れるほど高いと胸を張って言えるでしょう。しかし、昔は日本人船員でもかなり安全意識が低かったことも事実です。甲板上や機関室でヘルメットを装着せずに平気でペン塗りや整備作業をしていました。(もちろんクレーンで重量物を移動させるときや主機排気弁の整備作業時には全員がヘルメットをかぶりました。)

しかし、時代は移り変わりました。今では言われなくてもヘルメットをかぶって作業をする時代です。また、作業着も昔は暑いという理由で半袖の作業服で仕事をする乗組員やランニングシャツで平気で仕事をする乗組員がいましたが、今は煙管服(Boilersuit: Overall: つなぎ)を全員が着用して作業に従事しています。一部の外国人乗組員には厳しく注意しないとヘルメットをかぶらない問題船員もいますが、そのような不届きな船員はかなり減っているはずです。

ちなみに皆さんはヘルメットに交換基準(耐用期間)があるのを知っていますか?メーカーの注意書きにも「警告」として「ヘルメットは外観に変化がなくても性能が低下するので耐用期間が経過したものは交換してください。」と明記されています。私達船員が通常使用しているヘルメットは購入後3年が耐用期間です。

今一度自分の使用しているヘルメットの購入時期・使用開始時期を確かめてください。使用期間が3年間を過ぎていれば交換すべきです。同じように着装体(内帯:インナー)にも交換基準(耐用期間)があり、購入後1年以内となっています。ですから、後任者へ引継ぎのときに、着装体を交換する理由は、汗の匂いが染み付き汚くなって後任者に失礼であるという理由以外にも内帯が1年間で劣化してしまうので交換する必要があるということです。

安全意識といえば、私達に馴染み深い指差し呼称も安全に対する意識向上策の一つです。指差し呼称はもともとは鉄道の機関士・運転士が考えたものです。駅で発車する電車の運転士が指差し呼称を行っている姿をよく見かけます。指差し呼称の目的はヒューマンエラーの減少です。何もしないのに対して指差し呼称をするだけでヒューマンエラーが6分の1に減少するそうです。

ではなぜ、指差し呼称でエラーが減少するのでしょうか?その理由として以下の3つを挙げることができます。

  1. 人間は集中できる時間が限られています。意識が漫然となっているときに、指差し呼称によって重要な操作や確認に意識が注がれ、エラーを少なくすることができる。
  2. 指で対象物を指し、口に出して言うことによって腕、指、口、目の筋肉を使うために低下していた意識レベルが高まり、エラーを少なくすることができる。
  3. 急いだり、焦ったりすると間違いが多くなります。そこで一呼吸置くために指差し呼称が役立つ。一呼吸置いて落ち着いて動作することにより、エラーを少なくすることができる。

指差し呼称でエラーが減少することは間違いありません。ですから私達船員も指差し呼称が自然とできるように習慣付けることが大切です。無意識のうちに指差し呼称をしているようになればしめたものです。

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