当然のことながら外航商船の航海士には絶対に必要な『英語力』の話です。
「継続は力なり」は昔からよく使われてきた名言です。しかし、「言うは易く、行うは難し」で、この継続が簡単ではなく、非常に難しいことを皆さんもよく知っているはずです。「その気になって、やればできる。」「駐在員になれば、誰だって英語力・英会話能力が上がる。」「船では技術力があれば、最低限の英語力で十分で高級英語は必要ない。」等々を言う人は英語が出来ないことに対して言い訳しているだけです。英語は上達すればするほど、堪能になればなるほど、私達の職務に役立つはずです。ですから、高い目標を設定して、継続して英語力をアップさせなければいけません。
英語力は好き嫌いでその上達の度合いが明らかに異なります。英語が好きな人はほっておいても英語を一生懸命勉強して上達します。問題なのは英語が嫌いな人です。嫌いな英語をいかにして継続的に勉強するか、できるかです。私も中学生の頃は英語が苦手でした。よく先生から「英語が上達するための第一歩は英語を好きになることである。」と言われました。そのためには「面白い漫画でも童話でもよいから簡単な英文の本を読みなさい。」と言われたものです。そうすれば英語を好きになり、英語に興味を持つと自然と英語に接する時間、英語を勉強する時間が増えて、英語力が向上するというわけです。
実際に私の場合は高校生のときに英語が好きになり、それからは英語の成績が飛躍的に上昇しました。要はモチベーションを如何にあげるかです。その動機は何でも良いのです。ライバルに負けたくないという負けず嫌いな思いでもいいでしょうし、昇進が遅れたくないという動機でもいいでしょう。
ある人が英語力を飛躍的に向上させた例を紹介します。その人が若い頃、陸上勤務したのですが、陸上社員との英語力に歴然とした差があり、陸上の皆に馬鹿にされたそうです。その悔しさをバネに奮起し、見返すために英語を猛烈に勉強して、次の陸上勤務する頃にはTOEICで800点以上を取る英語力となったそうです。動機は何でも良いのです。「私達が胸を張って誇るべき海技力は、しっかりした英語力という土台の上に築くものである。」ということを決して忘れてはいけません。
以前一緒に乗船した機関士の人で、去年までTOEICの点数が400点台だったのが、たった1年で700点以上となりました。きっかけは会社で人事担当者に叱られたことです。本社へ出頭して担当者から手厳しく叱られたそうです。そこで一念発起して3ヶ月間の休暇中、毎日数時間かけて英語の勉強を続けた結果、TOEICの得点が700点を超えるレベルになりました。きっかけは何でも良いのです。
このように努力すれば誰でも英語力が上達するはずです。英語に後ろを向いている人は、何かやる気をおこさせるきっかけを見つけて、毎日英語漬けになるぐらい努力しましょう。毎日英語を見ないと不安になるぐらい、日々の生活漬けになるまでがんばりましょう。「千里の道も一歩から(Little by little one goes far.)」です。