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エダクターはどうやって液体を吸い上げるのか

バラストやカーゴの浚え時に使用するエダクター(Eductor)の内部がどのような構造になっているか知っていますか?

エダクターはカーゴやバラスト排出の他にもボースンストアー、チェーンロッカー、Cargo Hold、Void Space等々のビルジ排出に使用されています。ラッパのような形状をしたエダクターがなぜ、液体を吸い上げることができるのでしょうか?答えは内部に「ノズル」があるからです。

エダクターの内部構造は下図のようになっており、内部の「ノズル」により液体に流速差と圧力差を発生させて他の液体を吸引します。簡単に説明するとポンプから導かれた駆動液が(A)からエダクター内部に流れ込み、ノズル(B)より高速で噴射され、(E)部から排出されます。それに伴い(C)部が低圧となり、(D)より液体が吸引されるのです。各部を(A) Driving / (D) Suction / (E) Dischargeと呼びます。

エダクターの便利なところは、ラインアップして駆動用ポンプを始動したら、後がとても楽なことです。往復動ポンプや渦巻きポンプで浚える場合はポンプにエアーがかまないように常に注意が必要ですが、エダクターの場合はDriving圧を作るための駆動用ポンプを運転して落ち着けば、後はゲージでエダクターのSuction圧を見ながら浚えるタンクのサクションバルブを開閉する操作だけとなります。

操作者にとっては安心してタンク内の残液を浚えることができる優れものです。但し、便利なエダクターも一歩間違えれば非常に危険な状況を作り出す装置であることを決して忘れてはいけません。浚えているときはパイプ内がバキューム (負圧) になっています。そのエダクターによって作り出された強烈な負圧が要注意です。
もし、その負圧の状態で急激に水をパイプ内に流入させると水がパイプ内を猛烈な勢いで走って行き、強い衝撃力を生じます。いわゆる「ウォーターハンマー現象」が発生し、バルブ、ポンプ、パイプの損傷を引き起こします。便利な道具も使い方を誤れば、事故を引き起こす危険な道具になってしまうのです。

また、エダクターの引き具合が悪くなることが多々あります。チェーンロッカーのビルジが全然引けないとかホールドビルジの引きが悪いと苦労することがあります。エダクターが作動しない理由の多くは、① ドライビング圧力が不足している、②ディスチャージ側の背圧が高すぎる、③ サクション側のノンリターン弁が固着している、の3つのうちのどれかです。エダクターはそれほど複雑な構造ではないので、エダクターの引きが悪いときは、この3つの原因のどれかが該当するはずです。

ちなみに「エダクター」と「エジェクター」という2種類の排出装置がありますが、その違いを知っていますか?エダクターは英語で「Eductor」と書き、動詞「educe(引き出す)」の派生語です。同じくエジェクターは英語で「Ejector」と書き、動詞「eject (追い出す)」の派生語です。EjectorとEductorの原理は同じで、どちらもベンチュリー効果を利用した排出装置です。

では何処に違いがあるのでしょうか?それは駆動に使用するものが異なります。水(液体)か蒸気(気体)のどちらを使用するかによって呼び方を区別しているのです。蒸気駆動による排出装置の場合を「エジェクター」と呼び、水駆動による排出装置の場合に「エダクター」と呼んでいるのです。ですからバラスト排出時に使用する装置を「エダクター」と呼んでいます。

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