私の選んだ「理想の船長ベスト3」がいれば、当然私の選んだ『最悪の船長ワースト3』もいます。こんな船長とは二度と一緒に乗りたくない、まっぴら御免だ、という船長を紹介します。私がこの目で見たワースト船長のタイプです。反面教師と考えて、ああはなりたくないと常日頃から思いながら、今日まで至っています。
- 気が弱く、過度に緊張し、落ち着きがない船長
入港S/B作業中、船橋で過度に緊張し過ぎて冷静さを失い、あたふたとする船長がいました。足が地についていない、まるでパニック状態です。いくら責任重大な仕事で危険が一杯とはいえ、あそこまで、動揺することはないのではと思ってしまいます。周囲の乗組員にまで不安な雰囲気が伝染します。普段から非常に気のやさしい人物でしたが、船長としてはちょっと・・・です。 - 興奮しやすく、自分の価値観だけで物事を判断する船長
冷静に乗組員を叱るのであれば問題ないのですが、激高しやすく、周囲に怒鳴り散らす船長がいました。このような船長は当然、乗組員からは敬遠されるようになり、乗組員との普段のコミュニケーションが良いはずがありません。乗組員の建設的な良い意見も全く受け入れません。船内の雰囲気は悲惨なもので、乗組員の顔に笑顔がありません。船長は自らが職場を不安全な状態にしているのがわからないのでしょう。 - 細かなことまで口を出し過ぎる船長
船内を引っ掻き回す船長がいました。細かなことに気が付くのは良いのですが、それをTPOも考えずに乗組員に押し付け過ぎます。結果がどちらに転んでも問題ないような事案は、乗組員に任せる度量も必要です。船長の一言で否応なく乗組員が対応せざるを得なくなるのです。船長か細かすぎると、乗組員は船長に言われた仕事ばかり気にするようになり、肝心の重要な業務が手薄になってしまいます。お喋りが過ぎるのも良くありません。ものごとはほどほどが一番です。 - 体裁ばかり気にする船長
格好をつけ過ぎる船長がいました。面子や体裁を気にして、会社やお客さんに奇麗事ばかり言って、できもしないことを大見得を切って約束し、理想論、根性論ばかり唱えるのです。そのために無理難題を押し付けられる乗組員は困り果ててしまいます。 - 冷酷非情な船長
この人は鬼か?と思うぐらい非情な船長がいました。その船長はわがままや自分勝手ではなく、正論で物事を判断し、決定するところは認めます。しかし、まったく乗組員を思いやる気持ちがなく、決して妥協を許しませんでした。こういった船長は人徳がない人です。乗組員はついてきません。人間には好不調の波もあり、感情もあります。時には乗組員に対して温情や妥協が必要でしょう。要はアメとムチの使い方です。 - 意見を頻繁に変える船長
人と議論するときにやってはいけないのは、「ダブルスタンダード」、「二枚舌」、「朝令暮改」です。船長が発言内容をころころと変えていては乗組員が混乱して、船内の統制が取れません。これは船長だけでなく、部下を持つ職員全員に該当することは言うまでもありません。また、人と議論するときは、正論で話をしなければいけません。
物事には表裏、本音と建前があるのは事実です。しかし、やはり正論で議論し、その結果に基づいて行動を起こすことが基本です。例え、それが悪い結果になったとしても、正論に基づいていれば、誰に責められてもAccountability(説明責任)を果たすことができます。皆さんも先ず物事を正論の視点で見て、それに基づいて判断し、正論に従った行動をとるよう日頃から心がけて下さい。結果が全ての船務ですが、「正論に勝るものなし。」という言葉を忘れないで下さい。
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