天気予報も日進月歩して、占いよりは当たるようになりました

日々進歩している『気象予報』の話です。最近は海象・気象情報をDailyに、しかも1日に何度も入手できる便利な時代になりました。大昔は通信士が定時に送信されるモールス信号の気象データを必死で受信することによって、必要な情報を得ていました。
そして、その情報をもとに低気圧、高気圧の配置や定点観測場所の天候、雲量、風、気温、気圧等の情報を記入して天気図を作成していました。そういえば、私が学生の頃は天気図作成の実習がありましたが、最近はそんな実習もなくなってしまったのでしょうか?
船長や航海士は通信士が苦労して作成した貴重な天気図とにらめっこして、決して豊富ではない気象海象の知識・経験を駆使しながら気圧配置や等圧線の分布状態により低気圧や高気圧の動きを予想して最適と思われる航路を選定するという時代が続きました。しかし、今では簡単にE-mailなどで天気情報を毎日、リアルタイムで受信し、一週間後の海気象予測まで画像で出力することができます。
また、入港数日前から当該港の気象状況を入手することが可能であり、時間単位の天気予報も知ることができます。しかも、その予報が結構当たっているのです。船にとっては安全維持がより一層確かなものとなり、気象予測に基づいた効率的かつ経済的な運航が可能となって、結果的に運航スケジュールの遅れも少なくなり、船長にとっては非常に有り難い時代となりました。さらに、24時間ブロードバンドサービスを利用できる船ではインターネットで自由に好きなサイトにアクセスして、リアルタイムの様々な海象・気象状況を見ることができるのです。
「観天望気(かんてんぼうき)の法」という言葉を聞いたことがありますか?雲の形、種類、進む方向、あるいは雨や霧や虹を観察して天気を予報することです。まさに字のごとく天の雲や大気の透明度を観察することによって今後の天気がわかるというものです。今の航海士には「観天望気の法」を利用する必要が無いかも知れません。なぜなら海気象予測は技術の進歩により、以前と比べてかなり精度が向上したからです。大袈裟に言うと、昔は3日先以降の天気は占いと変わらないぐらい当たりませんでした。
しかし、最近は5日~7日後の予報もそれほど大きく外れません。予報精度が向上した理由を詳しくは知りませんが、おそらく、コンピューターの計算速度が著しく速くなったことや予測に利用する海気象現象の再現数学モデルの改良によるシミュレーション計算結果の精度向上が一役買っているのは間違いないでしょう。海気象予報の精度向上は私達航海士にとって非常に有り難いことです。
また、太平洋で発生する台風の進路予想も難しいのですが、一般的には日本の気象庁の予想より米海軍(US Navy)の予想の方が良く当たると言われています。その一つの理由として、気象庁は国民に対して警鐘を鳴らす必要があるため、どうしても沿岸寄りの進路を予想する傾向があると聞いたことがあります。日本付近の台風進路予想が日本より米国の方が精度が良いのはどうかと思いますが、ある程度仕方ないのかも知れません。