藤井 迪生
※本記事で紹介しているのは外航貨物船の航海士のものです。機関士、内航船、客船などは少し違うと思います。ご注意ください。
「乗船手荷物」と「送付荷物」
乗船荷物は 乗船直後に使うもの と それ以外の荷物 に分けて準備します。
以下、乗船直後に使うもの を「乗船手荷物」、それ以外の荷物 を「送付荷物」(積み込み業者に送る荷物)として話を進めます。
ほとんどの荷物は「送付荷物」で送付して問題はないと思いますが、乗船港と積み込み港が異なる場合、乗船2,3日後に届くので注意が必要です。また、外地乗船の時は荷物の送付はほとんどの場合できません。積み込み業者は、乗船予定の船や会社の積み込み業者リスト、代理店に聞けば分かります。
「乗船手荷物」の中身
乗船してすぐに使うものは全て持参していました。つなぎ、安全靴は必須かと思いますが、船に用意してくれている会社もあるでしょう。私は、送付荷物が届かなかった時のために、1航海仕事ができるだけの必要最低限のものは乗船手荷物で持って行きました。
仕事で使うもの
- 海技免状・船員手帳・証書・パスポート・VISA(外国船籍の免状等を含め全て)
- 船内標準服・肩章(1セット)
- つなぎ(1着)
- 安全靴
- 軍手(1双)
- サングラス
- パソコン(PDA)・デジカメ
海技免状・船員手帳・証書類は、乗船する船籍・船種に関係なく全て持参していました。枚数が多くなるので、抜け落ちが無いようにクリアファイルに入れて、確認しやすくしておくのがポイントです。ルーズリーフタイプがオススメ。
サングラスは航海当直に使うイメージがある方もいるかもしれませんが、私は入出航時のスタンバイ作業やオンデッキを歩く場合に使う方が圧倒的に多かったです。そのため、動いてもズレにくい、スポーツタイプのサングラスを使用していました。
PDA(Personal Digital Assistant)は聞きなれない人もいるかもしれませんが、小さな持ち運びパソコンみたいなものです。当時はシャープのザウルスで航海計算ができるようにして、それでポチポチと計算をしていました。今はスマホのアプリで十分!?
船内生活で使うもの
- 下着(2日分)
- 洗面用具(歯磨き、タオルなど)
- 小さめのシャンプー・ボディーソープセット(コンビニで売られているもの)
- 常備薬(2日分)
- 円貨・外貨
- 健康保険証
- (手土産)
外貨は、外地の船食で嗜好品を買った時の支払い(米ドル)や上陸時に使うためのものです。米ドルを基本に就航航路に応じてユーロ等その他の通貨を持参することもありましたが、上陸で使う分くらいの現地通貨はクレジットカードや国際キャッシュカードを使ってATMで入手できるので心配は不要です。
手土産は賛否両論です。「そんなことは気にせず、仕事で返した方が良い」という方もいれば、「持って行った方が無難」という方もいます。個人的には、船内で話のネタになるようなお土産であれば持参しても良いと思います。例えば、長く日本に帰っていない船に乗るのであれば、「あー、やっぱ日本はいいね!」って話が盛り上げるような食べ物を持っていくのもありです。ただし、思いつかなければ不要です。
荷物は35L程度のスーツケースへ
乗船手荷物は35L程度のスーツケースに詰めていました。乗船手荷物を持って舷梯を上がりますので、片手で持てるサイズにしておくことがポイントです。船種にもよりますが舷梯は思いの外、長い道のりです。ちなみに、乗船手荷物に使っていたスーツケースは、初乗船後に貯まったお金で奮発して買った物で、修理しながら12年目の今も使っています。皆さんも初給料で仕事の相棒になる物を買うのも良いものですよ。
その他の荷物の紹介は次回
乗船手荷物の話だけで長くなってしまったので今回はここまでにしますが、少しはイメージが湧いてきたでしょうか?
ちょうどこれを書いている時、先日知り合ったキャプテンが「できる人は荷物が少ない」という記事をSNSにアップされていました。できる、できないかは別として、初乗船では荷物はできるだけスマートに準備した方が良いのかもしれません。少しでも参考にしてもらえれば幸いです。