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今頃の若い者は、と言われても気にしない気にしない

世代の違いや価値観の相違で起こる『Generation Gap』の話です。

いつの時代でもよく耳にする言葉として「今頃の若い者は物事を知らない。常識を知らない。レベルが低い。何を考えているかわからない。」という先輩の決まり文句があります。先輩達は自分の若い頃のことは棚に上げて言いたい放題です。ところが、歴史は繰り返すもの。「今頃の若い者は・・・」とおっしゃる先輩も若い頃には先輩から同じようなことを少なからず言われてきたはずです。

長年の経験や失敗を経て一人前になったからこそ、先輩たちは偉そうに余裕ある態度で一人前になるために一生懸命努力している後輩に不満をぶつけて言うのです。「今頃の上司はなんだ、大して実力もないのに偉そうに説教するな!私に偉そうに言う前に、胸に手を当てて自分が半人前であった頃を思い出してみろ。あなたと同じだけ経験を積んだら、あなたなんて軽く追い越せるよ。」と口が裂けても言葉にしてはいけないですが、心の中ではつぶやいても構いません。それぐらいの反骨精神があっても良いでしょう。

最近、耳にして違和感があった発言は、「最近の日本人若手職員の海技力の低下が問題である。」という某先輩の言葉です。私は決して若い船員の海技力が低下しているとは思いません。昔と比較して、仕事量、情報量、知識量は今の時代の方がはるかに優っていることは紛れもない事実です。例えばパソコンやマニュアルについては若者の方がその取扱いについては圧倒的に優れています。

先輩達は皆さんと同じ年頃にはパソコンの使い方を知りませんでした。いや、パソコンがない時代だったかも知れません。また、最近の船舶管理制度のもとでマニュアル・チェックリスト、内部監査、SIRE受検等に若い航海士がかかわることによって、昔よりも安全対策や船内システムへの知識や理解度は高度なレベルに達しています。

また、混乗船となり、日本人職員は少数精鋭となり、若い人達の職務も昔より格段に分量が増え、多様化しています。その中で若い人は一生懸命頑張っているのです。「今頃の若い者は」という単純な言葉でひとくくりにとらえて評価できるものではありません。時代によって仕事の質や量がめまぐるしく変化しているのです。その変化する仕事へ如何に上手く適応して迅速かつ的確に遂行できるかがその時代時代で各個人に問われているのです。

私が若い頃には「最近の若者は三無主義である。」とよく言われました。三無主義とは無気力、無関心、無責任です。何事にもやる気が見られず、わがままで、いい加減な若者が多いと世間では嘆いていました。政治や学生運動には全く興味がない、ノンポリ学生ばかりです。そんな三無主義と問題視されていた若者がやっと一人前になったとたんに「今頃の若者はレベルが落ちている、常識がない、やる気がない、何を考えているかわからない。」といった不満を口にしているのです。

やはり歴史は繰り返すものです。しかし、時代が変化するのにあわせて若者の習性、価値観が変化しているのも紛れもない事実なので、それに見合った職場環境・システムを会社が準備し、若者はその環境の中で自分が設定した目標を達成するために懸命に努力すれば良いのです。

入社以来10年以上の長期間、陸上勤務せずに乗船し続け、一等航海士や一等機関士の重責を担ってきた人達は多いに自信を持って良いはずです。会社や船長からの理不尽な命令、部下からの突き上げ、外国人船員の教育指導等々、C/Oや1/Eは最前線で全て滞りなく処理しているのです。陸上勤務が多かった人達よりも現場、実務を知ることができ、今の船を取り巻く状況を把握しているはずです。

ですから、若い航海士の方々も陸上勤務するまでの今後の数年間で、陸上勤務している諸先輩よりも少しでも多くの船上経験や知識を蓄え、陸上勤務したときに諸先輩に船の現状を説明して、的確にアドバイスしてあげるぐらいの技量を早く身につけて下さい。もちろん、焦る必要はありません。目の前の仕事、業務を確実に自分のものにし、それを自分なりのやり方で少しでも広く深い知識、経験を得るよう日頃から心がけていれば、自ずと技量は向上するはずです。

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