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甲板機器の交換時期、作動テスト時期 いろいろ

定められた期間毎に実施する甲板機器の消耗品交換や作動テストの『インターバル』の話です。

形あるものはいつかは壊れます。そのために消耗品の交換や作動テストによる確認が必要です。甲板関係の重要な機器や道具には交換時期やテスト時期の基準が明確に定められています。毎年実施、3年毎実施、5年毎実施等そのインターバルは色々な規則によって様々な取り決めがあります。すでに紹介したものもありますが、その例を以下に列挙してみました。なお、管理会社の方針・規定によってインターバルに差異があるので、あくまでも参考として頭に入れて下さい。

執筆当時の情報です。必ず現在の規則をご確認ください。

  1. Tail Rope
    OCIMFのガイドラインにより18ヶ月毎の交換。見た目で劣化していないようでも強度の低下は着実に進行していくので早めの交換が必要です。
  2. Gangway (Accommodation)
    2.5年毎のワイヤー交換(OPMによる)となり、ドックtoドックで交換します。人命にかかわるWireですから、ステンレス製のワイヤーで見た目が錆びていなくても2.5年での交換が必要です。
  3. Mooring Winch Brake Test
    毎年実施(OPMによる)。ブレーキドラムがステンレス製ではブレーキ力の大幅な低下は小さいでしょうが、ブレーキドラムが鉄製の場合は発錆によるブレーキ力の著しい低下に要注意です。
  4. Life Boat Fall Wire
    Class要求では5年毎にワイヤー交換。最近は、2.5年毎のワイヤー振り替えは必要なくなっています。その理由はワイヤーを振り替えてもあまり効果がないからです。
  5. Immersion Suit
    製造日から3年毎の気密テストが必要。船籍によって規則が異なっています。
  6. Breathing ApparatusのAir Bottle ・ Life BoatのAir Bottle ・ 酸素蘇生器の酸素ボトル
    5年毎の圧力テストが必要。高圧容器は定期的なテストが必須。
  7. 安全ベルト
    相変わらず高所作業での転落事故が発生しています。転落事故防止対策の一環として、安全ベルト(墜落制止用器具)の品質管理を徹底するため、2.5年毎の交換を求められています。
  8. Deviation Curve
    毎年一回更新が必要。良いタイミングを見つけて作成しましょう。
  9. ガス検知器及び酸素検知器 ・ Life Boat ・ Life Raft ・ 空気圧縮機 ・ GMDSS装置
    毎年、業者による点検整備が必要です。乗組員によるテストではダメです。
  10. Life Boat ・ Gangway ・ 揚貨装置(SWL 1ton以上のクレーン)
    5年毎に荷重テスト(Load Test)が必要。
  11. 固定式泡消火装置の消火液
    使用開始から3年後に性状テストを実施し、以降毎年性状テストを実施。テストに合格すれば、使用期間の延長が認められます。
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