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似て非なるもの(その5)

「中島式」と「町野式」

私達船員にはお馴染みの消火栓の継手です。世界中で様々なタイプの消火栓継手が使用されていますが、日本船でよく使用されているのが、「中島式」と「町野式」。「中島式」は旧海軍で使用された「ねじ込み式」で、町野式は大正8年に町野重猛氏が開発した「差し込み式」です。

「Aパック」と「Bパック」

救命艇の艤装品の応急医療具にはAパックとBパックがあり、その違いはAパックが薬でBパックが用具です。具体的にはAパックは「酔い止め薬等の医薬品類」でBパックは「包帯・はさみ等の医薬用具」ですが、その有効期限に違いがあり、Aパックは3.5年、Bパックはその倍の7年が有効期限です。

「枚」と「葉」と「通」と「部」

仕事で使っている用紙や手紙の数え方の違いです。「枚」と「葉」は同じ意味で、紙の枚数を数えるときに使います。「レポートは原稿紙4枚以内で」「ハガキを3葉購入」等です。そして「通」と「部」は複数枚の紙を合計したもので、手紙のように便箋と封筒を併せて1通と数えたり、複数枚の報告書を1部と数えます。

「Azimuth Circle」と「Azimuth Mirror」

日本語では「Azimuth Circle」は方位環、「Azimuth Mirror」は方位鏡です。下写真のように方位環は文字通り環状になっていますが、方位鏡は環状になっていません。形状は異なりますが、どちらもコンパスレピーターの上に載せて天体方位を測る道具です。それぞれ、1台30万円以上する高級精密機器です。

「筆記体」と「活字体」

英文の書体には「筆記体」と「活字体」があります。筆記体とは文字通り、一筆書きのように続けて書く書体です。しかし、日本の英語教育では2002年に施行された学習指導要領から必修でなく、今は筆記体をほとんどの学校で教えていません。パソコンの普及によって筆記体を使用する機会が大幅に減ったこともそうなった理由の一つでしょう。筆記体使用の減少は英語の本場、米国でも同じです。アメリカ人も筆記体を使う人が減っています。

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