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航海当直 ア・ラ・カルト(コースライン・他船避航)

阪口泰弘阪口泰弘

言うまでもなく、『航海当直』は航海士にとって基本中の基本の職務です。それ相応に出来て当たり前、もしも、信用に足るだけの航海当直の技量を発揮できなければ、船長以下乗組員全員から航海士失格の烙印を押されてしまいます。その航海士の「Basic Skill」ともいえる航海当直について焦点を当て、いくつかの初歩的な話を紹介します。

コースライン

経験が少なければ少ないほど、航海士はコースラインにこだわり、コースラインから外れないように外れないようにと必死になって、何がなんでも本船をコースラインへ乗せようとする傾向があります。場合にもよりますが、船長は航海士が思っているほどコースラインから外れることを嫌っていませんし、気にしていません。誤解されては困りますが、極端に言えば安全のためにコースラインから外れることは大歓迎です。航海士が適切に判断し、コースラインにこだわらずに安全な方向へ船を進めているのを見れば、船長も安心です。コースラインに固執せずに先を読み、常に安全な海域に船を進めることができる航海士を船長は求めているのです。

船長がコースラインにこだわる必要がないと言っても、経験の浅い航海士はどうしてもコースラインに乗せようとする意識が強く働きます。特に最近はECDISの画面を見るとコースラインから1m外れていてもわかるので、航海士は余計にコースラインへの意識が強くなっているのではないでしょうか。コースラインに乗せるかどうかは「臨機応変」という言葉がぴったり当てはまります。コースラインに乗せることを最優先にして、自ら船舶の多い危険な海域へわざわざ進入してしまったなんてことにならないようにしましょう。

もちろん狭水道や浅瀬が至近距離に存在する海域の航行のように、ほとんどコースラインから外れる余裕がない場合には、確実にコースラインに従って航行する必要があるでしょう。しかし、広い海域で間もなく変針点というときに、わざわざコースラインに戻そうとする必要はなく、ある程度のショートカットも問題ありません。極論ですが、コースラインはあくまでも参考航路と解釈したほうが良いでしょう。コースラインをある程度幅を持った自動車の道路のようなイメージで操船すればよいのではないでしょうか。

他船避航

慣れない航海士は他船を避航する度に、変針する角度が大きすぎたり、小さすぎたりとなかなか安定しません。例えば、反航船を避けるために3度だけ右へ向けて、しばらくしてCPAが近すぎるということがわかって、さらに右へ3度向けるという行動です。皆さんも身に覚えのあるはずです。あるいは、10度程度の変針で十分なのに20度も30度も変針して相手船を避ける航海士もいます。おそらく経験の少ない人ほどあるときは変針量が小さ過ぎて、あるときは変針量が大き過ぎるというように避航量が安定していないのではないでしょうか。

ベテラン航海士になると大き過ぎず、小さ過ぎずの適度な変針量でたった1回の避航動作によって上手く相手船を避けることができます。ベテランならではの長年の経験から得た絶妙な避航量です。さらに最初に大き目の量の変針をしておけば、後が非常に楽であり、安全です。もちろん、無闇に大き過ぎる避航量は論外ですが。まあ、慣れないうちは、相手船が本船の意図を認識しやすいようにどちらかと言えば、大き目に変針して避航することを心がけたほうが無難でしょう。

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