甘くて美味しい『世界のトロピカルフルーツ』の話です。
東南アジアの港を訪れると、トロピカルフルーツを食べる機会がたくさんあります。マンゴー、ドリアン、パパイア、グアバ、ライチ、リョウガン、ランブータン、パッションフルーツ、スターフルーツ、ナンカ、マンゴスチン等々。その中で「果物の王様」と呼ばれるのはあの有名な「ドリアン(Durian)」、そして「果物の女王」と呼ばれるのは「マンゴスチン(Mangosteen)」です。
ドリアンは緑褐色のトゲトゲのある固い殻に包まれており、クリーム状の果肉は強烈な匂いを放ちますが、熟したドリアンは非常に濃厚な味で美味です。そのトゲトゲのある外見から別名「果物の魔王」とも呼ばれます。ドリアンは人に迷惑をかけるほどとんでもない匂いを発する果物で、場所によっては飛行機内等公共の場所への持ち込みを禁止しているところもあります。
日本でも高級フルーツとしてドリアンが1個5,000円以上の値段で売られているのをたまに見かけます。しかし、日本で売っているドリアンは不思議なことにあの強烈な匂いが全くしません。何か特殊な消臭加工を施しているのでしょうか。ドリアンはビール等アルコールと一緒に食べることはご法度で、とても危険です。
一説によるとアルコールと一緒に食べると発酵し過ぎてお腹が破裂するとのこと。現地の人もアルコールとは一緒に食べません。ドリアンが別名「果物の魔王」と呼ばれる由縁かも知れません。(ネットで調べると、実際にはドリアンとアルコールを一緒に食べても危険はないそうですが、、、)
「果物の女王」マンゴスチンは紫黒色の硬い皮の中にみかんの房のように白色の果肉が種子のまわりに付いており、食べると非常に上品な美味しい味がします。初めて食べる人はどうやって皮をむくのかわからないかも知れません。一見硬そうに見えますが、実際は手でパカッっと割れるほどやわらかいのです。紫黒色の皮はインド更紗の染料の原料にもなります。このマンゴスチンも日本で買うと1個300~500円ぐらいする高級フルーツですが、現地では1個30円と十分の一程度の値段で手に入ります。
珍味で美味しい熱帯果物と言えば、今お話したドリアンとマンゴスチンです。では、「世界の3大珍味」と「日本の3大珍味」を知っていますか?世界の3大珍味はとても有名なので皆さんもよく知っているでしょう。「フォアグラ」、「キャビア」、「トリュフ」の3つです。説明するまでもないでしょうが、フォアグラは肥大させた鵞鳥の肝臓、キャビアはチョウザメの卵の塩漬け、トリュフは香気高いキノコです。
私はフォアグラとキャビアは日本のレストランで何度か食べる機会があったので、その味については何とか人に説明することができます。しかし、トリュフについてはほとんど食べたことがないので、その味を説明できません。トリュフはキノコ類で独特の香りがするそうですが、せいぜいスパゲッティーに少し入っているものを食べた程度なので、どんな味なのかさっぱりわかりません。是非一度トリュフの味を人に説明できるほど、たっぷり食したいものです。
以上が世界の3大珍味です。では、日本の3大珍味は何でしょうか? それは長崎の「カラスミ」、愛知の「コノワタ」、そして意外なことに福井の「ウニ」です。カラスミはボラの卵巣を塩漬けにして乾燥したもので、ねっとりして少し塩辛く、薄めに切って少し火にあぶって食べると、日本酒によくあいます。コノワタはナマコの腸管を塩漬けにした塩辛で、少しホヤに似た磯の香りがするような味わいです。そして、なぜかウニが3大珍味に入っています。ウニは非常に高価ですが、今ではお寿司の定番になるほどポピュラーな食べ物です。流石に日本の3大珍味です。カラスミ、コノワタ、ウニは何れも日本酒の肴としては絶品です。