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海図に表示されている数字の中央がその水深?

水深を測ること、いわゆる『測深』の話です。

本来は船は正確な水深データや本船喫水から計算して、十分なUKCを確保できる海域のみ航行が許されるはずです。しかし、毎航海、決まった航路、同じ港へ寄港する船に乗船していると、喫水と水深の関係への安全意識が希薄となりがちです。

私がパナマックス型のバラ積み船に3/Oとして乗船していたときのことです。その船は世界中のどの港へ配船されるか判らないワールドワイドの船でした。港名まで覚えていませんが、ある国のある港では港内の測深情報が十分得られないまま入港する機会もありました。おおよその水深しかわからず、岸壁付近の水深は不明です。そのときは着岸中に3/Oである私がQ/Mと一緒に船のまわりをHand Lead(測深鉛)で測深した覚えがあります。着岸してから測深しても「時すでに遅し」ですが、確認のために測深を行い、会社へも報告しました。Hand Leadを使用して測深した経験は、後にも先にもこの一回だけです。

ちなみに海図に記入されている水深はどの部分の水深を表しているのでしょうか?単純に数字の中心だと思っていませんか?それは正解ではありません。例えば、海図に水深「7」と表示されていれば、その「7」という数字の中心、つまり数字の「7」の中央付近の水深が7mということになります。

ところで、水深7.1mが表示されている場合、どこが7.1mなのでしょうか?単純に数字「71」の中央付近が7.1mかと思いますが、実は違います。水深を示す数字のうち、整数部分の中央がその水深なのです。水深は整数部分の中心を表しているのです。ですから、「71」の場合は整数の「7」の中央付近が7.1mなのです。細かなことですが、航海士ならば、水深の定義を詳細まで知っておく必要があります。

Soundingと言えば、最近のSounding Pipeは底(パイプ端)にプレートが付いているのでタンク底に直接Sounding rodが当たることはありません。しかし、昔の船でSounding Pipeの底に何もなく、Sounding rodがタンク底に直接当たる船もありました。毎日Soundingしているとロッドによって少しずつ磨り減って、タンク底のSounding Pipeの部分が深くえぐれている船もありました。あわやSoundingによる浸水事故発生です。

さらにSoundingにまつわる話です。航海中のある日、朝のタンツーで実施したCarpenterのSounding結果で、突然Void Spaceが数センチ、数十センチの残水を計測し、ドキッとすることがあります。Void Spaceには水が入る可能性は殆どありません。最悪のケースを想定すると外板やバラストタンクにクラックが入って、海水が浸入している可能性です。次に考えられる原因は外気とVoid Space内部の気温差で結露してその露が集まって残水となって溜まっていることです。さらに可能性としてはドック等でマンホールを長期間開放しており、その間に雨水が多量にVoid Spaceに入り込むことが考えられます。ドック出し後にこのように思わぬところから残水が発見されることが少なからずありますので、ドック中の開口部からの雨水浸入には要注意です。

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