パンチング、スラミング… どう覚える?カタカナ用語

はじめに

皆さんは、様々な現象の名前などにあるような”カタカナ用語”に惑わされた経験はありませんか?私はそんな時 「この名前がついた理由」を探るようにしています。そうすると単なるカタカナ言葉が知識に変換され、記憶の整頓を容易にしたり、長期記憶に繋がると考えているからです。

カタカナ用語は、英語に由来しているケースや、発見者の名前がそのまま付けられているケース等があります。船の勉強をする上においても様々なカタカナ用語がありますが、今回はその中でも「運用科目」で頻出する用語について、私がおすすめする具体例をシェアします。少しでも読者の皆さんの勉強のお役に立てばと思います。

向い波航行中の危険

パンチング→ Panting(船首尾部の激しい衝撃)

パンチングは海事的な意味では、船首尾部における大きな波の衝撃を意味します。「殴る」という意味のパンチを想像して、波が船首をパンチするようなイメージ(厳密には、殴るほうは”Punching”と綴るため異なりますが、カタカナ用語を覚えるためには使えます)で覚えた方も多いかと思います。覚える際には、船首に加わる波の衝撃に耐える「パンチング構造」(例えば、パンチング・ストリンガやパンチングビーム)と関連させて覚えるのが良いでしょう。船首部は波による大きな衝撃を受けやすい為、特に強固な構造が用いられており、それを指す言葉です。

スラミング → Slamming(扉をバタンと閉める)

SlammingのSlamを英和辞書で調べると様々な意味が出てきますが、この中で私が注目したのは「扉をバタンと閉める」という意味です。そもそも海事でいうスラミングとは、波の山により船首が持ち上げられた次の瞬間に「船首船底部がバタンと水面を叩く」という現象です。船底が水面を叩くところが、扉を勢いよくバタンと閉める所作に似ていると思いませんか?

パンチングとスラミングを混同してしまいがちですが「パンチングはグーでパンチ!」「スラミングは扉をバタン!」という風に「イメージのすみ分け」が出来ればきっと区別がつきやすくなると私は思います。他にも色々なイメージがあると思いますが、このように独特な変わったイメージを持つとより印象が強くなり、記憶に留めるのに大いに役立ちます。ぜひ皆さんも試してみてください。

レーシング→ Racing(空転)

レーシングは船舶の動揺、波などによりプロペラが海面から出るような状態で起こる「空転現象」の事です。エンジンに大変負荷が掛かるため危険な現象です。水の抵抗は空気抵抗の800倍と言われていますが、海中でプロペラを回すよりも大気中でプロペラを回すほうが圧倒的に力が少なくて済みます。その結果、プロペラが海面上に出た瞬間、空気抵抗を受ける事になりますから、抵抗が約1/800になる事が分かります。この急激な抵抗の減少によりプロペラは高速回転してしまうのです。この現象は”レーシング”と結びつけしやすいと考えています。例えば、「レーシングカーが高速で走っている事をイメージすれば、プロペラのレーシングと結びつきやすいのでは?」という事です。

※プロペラのレーシングは「高速回転」だけではなく、プロペラが海面上に出たり、入ったりすることで、主機出力への負荷が急激に変わることまでを指すこともあります。上記では、海中→海面上にプロペラが出た場合のみを言及しましたが、海面上→海中にプロペラが至る場合は、逆に抵抗が一気に800倍に増えますので、これによりプロペラに掛かる負荷が急増するというものです。

追い波航行中における危険

プープダウン→ Pooping down(Poop:船尾)

プープダウンとは、波が船尾に覆いかぶさるような現象を言います。波が上から覆いかぶさってきて、船尾(プープ)をダウン(降下)させる…といったイメージをすると覚えやすいと思います。また、出入港スタンバイの際に、 船尾配置の人が立っているデッキの事を「プープデッキ」と呼んだりもしますので、そうした事と関連付けると覚えやすいのではないでしょうか。

おわりに

今回ご紹介した内容は、3・4級海技士(航海)の口述試験においてよく聞かれる問題のようです。ぜひこのやり方で記憶を整理してみてください。また、皆さんからも「こんな覚え方があるよ!」といったコメントもお待ちしています。

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