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なぜ7月20日が海の日だったの?

私達の仕事場である『海』にまつわる話をいくつか。


以前、7月20日は私達船員には馴染み深い祝日、「海の日」でした。「海の日」は日本人が海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日として1996年から施行された歴史の新しい祝日です。では、なぜ7月20日だったのでしょうか?7月20日に海に係わるどんな歴史的イベントがあったのでしょうか?それは明治天皇にまつわる話です。

1876年に明治天皇が東北・北海道巡幸のため、青森から汽船明治丸(現在は東京海洋大学(旧東京商船大学)のキャンパスに保存)に乗船され、無事7月20日に横浜に帰着されたことを記念して、国民の祝日「海の日」が制定されたのです。もっと他に海の記念日に相応しい重大な出来事があるのではないかという気もしますが・・・ 2003年からは7月20日固定ではなく、3連休とするために7月の第3月曜日が「海の日」となりました。「海の日」があれば、やはり「山の日」や「空の日」もあります。「山の日」が8月11日で、「空の日」が9月20日ですが、両方とも海の日同様に、その日に誰もが納得するような出来事があったわけではないようです。

1996年以前も7月20日は「海の記念日」でしたが、国民の祝日ではありませんでした。ですから以前は7月20日が休みになるのは海運会社等海に関係する一部の会社だけでした。そのため海運会社のゴルフをする陸上社員の人達は、チャンス到来、待っていましたと平日で料金が安く、お客さんの少ないゴルフ場へいそいそと出かけたものです。


私達の仕事場は言うまでも無く、広大な海です。学校でも習いますが、地表の約7割は海洋です。もともとは、ほぼ真水に近かった海が、遥か古代より陸上からの雨水や川の水が岩石を溶かし、含まれている各種の塩分を海に運び、次第に海水の塩分が濃くなっていき、現在のしょっぱい海ができあがったのです。現在の海の塩分は約3.5%です。今後も海水の塩分が濃くなり続けるかというと、そうではなく、地殻変動等によって海底の塩分を含む堆積物が取り除かれるため、海水中の塩分量は現在のまま、ほぼ一定に保たれているそうです。ちなみに年間に海水が蒸発する量は海の平均高さ約1m分です。これと同量分の水が雨水や川水となって海へ流れ込むので、海はほぼ一定の水位を保っています。


海といえば、「七つの海」という言葉があります。ここで言う「七つ」とは「世界の全ての海」を意味していますが、皆さんはその「七つの海」を全て言えますか? 大昔にアラビア人(船乗りシンドバッドの時代?)が自分達の支配した海を「七つの海」と呼んだそうです。その七つとは南シナ海、ベンガル湾、アラビア海、ペルシャ湾、紅海、地中海、大西洋の七つです。当時の世界では、この七つ以外の海を知らなかったのでしょう。かなり限定的な七つの海です。しかし、現在の「七つの海」は文字通り世界の代表的な海のことです。

北太平洋、南太平洋、北大西洋、南大西洋、インド洋、北極海、南極海の七つが世界の海、いわゆる「七つの海」ということになります。「七つの海を渡り歩く船乗り 」という言葉がありますが、現在の七つの海のうち太平洋、大西洋、インド洋は行くこともあるでしょうが、北極海と南極海に行くチャンスはほぼないでしょう。そういう意味では現在の船員さんは「七つの海を渡り歩く」ことはなく、五つの海を渡り歩いていることになります。


北極海と南極海が七つの海に数えられるといいましたが、では北極と南極、どちらが寒いでしょうか? 正解は南極です。南極は-30~-50℃、北極は-10~-30℃です。南極の方が寒い理由は、南極は大陸であり、氷の厚さが2300メートル以上もありますが、北極は海上で氷の厚さは2~6メートルしかありません。従って標高差が約20℃の温度差を生んでいるのです。

しかも、南極の方が日射量も多く太陽光を多く反射し、放射冷却によりさらに気温が下がるのです。ちなみに世界一平均海水温度が低いのは北極海です。では2番目に海水温度が低いのはどこの海でしょうか?それが意外なことに日本海だそうです。日本海の表面は黒潮海流の影響で結構暖かいかも知れませんが、深海は閉じ込められた状態で非常に冷たいそうです。

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