シャワーからのアッチッチの熱湯は、洗濯機から流れて来る!?

毎日、船内生活で使用する『お湯』の話です。

家庭で蛇口をひねれば、お湯が出るように船でも蛇口をひねれば、すぐにお湯が出てきます。当たり前のことですが、水は加熱しなければお湯にはなりません。あまり意識していないかも知れませんが、家庭に湯沸かし器があるように船にも機関室内に温水用のヒーター (Fresh Water Heater) が装備されており、これによって私達はいつでも船内のお風呂やシャワーで暖かい温水を利用できるのです。

通常、このヒーターは電気式ですが、古いタービン船になると余った蒸気を有効利用するという発想からか蒸気式のヒーターを採用している船があります。蒸気式ヒーターの場合に困るのがドックに入ったときです。ドックでは当然のことながらボイラーのプラントダウンのためにボイラーの火を消すことになり船内の蒸気が一切なくなります。従って蒸気式のヒーターが利用できなくなり、ドックからポータブルの電気ヒーターを借りて使用します。

しかし、どこのドックでもあまり大容量の電気ヒーターを所持しておらず、なま暖かいお湯が出る程度です。冬場のドックではシャワーのお湯が冷たすぎて風邪を引いてしまいます。このような体験をすると船内で普段何気なく使っている温水の有難さが身に染みて良くわかります。

夕方に居室のシャワーで汗を流しているとき、火傷しそうになるくらいの半端じゃない熱湯が出てくることがありませんか?適度なお湯が出てくるようにうまく温度調節をしているはずなのに熱湯が出て来たときは本当に腹が立つものです。この原因の多くは洗濯機です。

最近の全自動洗濯機は給水ホースをつないだままで、スタートボタンを押すと自動的に給水され、洗濯が始まります。このとき水道の蛇口は開けっ放しになっているはずです。蛇口が冷水と温水の二股に分かれており、両方の蛇口を開けっ放しにしていることが居室のシャワーから熱湯が出る原因です。

両方蛇口が開いていると当然、水は圧力が高い側から低い側へ流れます。冷水のほうが使用量も多く、圧力が低いため熱湯が冷水パイプ内へ入り込み、洗濯機室より上流側、すなわち上階の部屋のシャワーの冷水側に熱湯が入り、温水側と混合されて熱いお湯になって出てくるのです。ですから、熱湯が出ないようにするためには、洗濯し終わったら必ず温水側の蛇口を閉めれば良いのです。しかし、うっかり閉めるのを忘れてしまう人もいます。ですから、絶対に温水が冷水側に逆流しないよう船によっては温水用蛇口の取っ手を写真のように取り外しているはずです。

シャワーと言えば、フィリピン人は夕方まで汗だくになって仕事をしても(例外もあるでしょうが)殆どのフィリピン人が汗をかいた直後にシャワーを浴びません。私達日本人にとっては汗をかいた後にシャワーを浴びないとべとべとして気持ち悪いだろうと思います。

なぜシャワーを浴びないか不思議でしかたありません。何人かに理由を聞くと、昔から急激に体を冷やすと腰痛になったり、体調を崩したりして早死にするという言い伝えがあるそうです。フィリピン全土に古くから伝わる風習なのかどうかは不明ですが、親が子供へそう教えるのです。確かにフィリピンの貧しい家では冷水しか利用できない人も多くいるでしょうから、シャワーによる急激な体温低下を毎日続けるのは体に良くないのかも知れません。

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