『文書の書き方』の話です。
皆さんは文章を書くこと、報告書を作成することに慣れていますか?自分の文章作成能力に自信がありますか?報告書作成の苦労話で思い出すのは、私が若い頃初めて陸上勤務したときのことです。それまで、まともな報告書を作成した経験もなく、上司(課長)へ提出する出張報告書なるものを初めて書きました。どのような構成で、どのような内容で、どのような文体で書けば良いのか、ちんぷんかんぷんです。2~3ページの報告書を作成するのに数日間もかかって、なんとか出来上がって課長に見てもらいました。
すると「て」「に」「を」「は」の誤りはもちろん、数字間違い、文章構成のまずさ等々、間違いのオンパレードです。文章全体のほとんどに修正が入って私の報告書は真っ赤です。上司から報告書を突きかえされて、私なりに一生懸命に書き直して再度上司に提出しますが、また間違いがたくさんあり、また、書き直しです。そんなことを何度も何度も繰り返していると、とうとう課長は怒りマックスで「お前は俺に添削の練習をさせているのか!」と怒りの一言です。あのときの恥ずかしさと不甲斐なさは今でも忘れられません。自分自身の文章作成能力の無さに自信喪失でした。
報告書等の公的文書を書くに当たっては、一定のルールや要領を知っておく必要があります。皆さんは文書作成に関するマニュアルを読んだことがありますか?文章作成に不慣れな方や不得意な方には非常に役立ちますので、一度読んだほうが良いでしょう。私達が知っていそうで意外と知らないことも書かれています。私が読んだマニュアルの中からいくつか紹介しましょう。
- 「御」と「お」
私達は「御」という敬語をよく使います。しかし、「御願い」ではなく、「お願い」と書きます。わざと「御」と書かずに「お」を使います。基本的にはどちらでも良いのですが、御願いと書くと漢字が多すぎて読み辛くなります。 - 「いたします」と「します」
心をこめて相手にお願いする場合、何気なく丁寧な言葉である「致します。」と書いてしまいます。しかし、社内文書では「いたします(致します)」」は使いません。基本的には社内文で敬語を使う必要はありません。「します。」と書いて問題ありません。「致します」は社内では丁寧すぎる、もっと簡潔にということなのでしょう。 - 「から」と「より」
「から」「より」は同じようで意味が異なり、使い方が違います。時間や場所を言うときは「から」を用い「より」は使いません。例えば「3時より」とは言わず「3時から」と言います。「より」を使うのは「AよりBが早い」といった比較するときや「A社より連絡」という場合に使います。 - 「とき」と「時」
「とき」「時」も使い方が異なります。仮定の場合に用いる「とき」はひらがなを使い、「時」は用いません。例えば「判断したときは」と書き、「判断した時は」とは使いません。時刻をはっきり示す場合のみ「時」を用います。 - 「及び」と「並びに」
「及び」と「並びに」を意識して使い分けていますか?「及び」はA,B,C及びDと使い。「並びに」は「A、B」並びに「C、D」というように語句の大きなつなぎに用います。
お勧め本で『条文の読み方』があります。
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