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窓ガラスの修理には、吸盤のお化けのような道具が便利です

時には割れることもある『船橋の窓ガラス』の話です。

航海中に乗組員だけで船橋の窓ガラスを交換した経験がある人は少ないのではないでしょうか。ある船であの頑丈そうな窓ガラスが何もしていないのに突然、割れるという奇妙な現象が発生し、船橋の窓ガラスが2枚割れてしまいました。

船橋の窓は自動車と同じく強化ガラスなので、右写真のような割れ方をします。破損した窓ガラスの交換作業を行うときに「Sucking Disk」という道具があれば、作業効率がぐんと上がります。あまり聞き慣れない名前かも知れませんが、「Sucking Disk」とは吸盤のことです。

新しい窓ガラスを港で積み込んで、航海中に乗組員の手によって窓へはめ込むのですが、重さ50kg以上もある窓ガラスを数人が手で持ちながら枠にはめ込むのは容易ではありません。窓ガラスをはめる時に手を挟まれそうになります。そんなときに直径10cmもある吸盤のお化けのような形状の「Sucking Disk」という道具を使います。

これを窓ガラスに吸いつけます。「Sucking Disk」には取っ手がついているので、重い窓ガラスも楽に抱えることができて、微妙な位置合わせも手を挟まれずにできます。このように便利な道具のある・なしで作業の効率は大違いです。なぜ船橋の窓ガラスが突然割れるのか、原因ははっきりしません。最近乗船したLNG船でも窓ガラスが同じように突然粉々に割れるトラブルが発生しました。考えられる原因としては船橋全体が歪んでいる、窓ガラスの留めビスが片締めになっているか、窓ガラス自体の材質不良等を挙げることができますが、明確な原因は特定できていません。

もう一つ『窓ガラス』の話です。昔から船橋の窓ガラスには旋回窓(Clear View Screen)が装備されており、雨で窓ガラスが濡れても前方の視界を確保できるようになっています。私は船に乗ったばかりの頃、この優れ物のClear View Screenが自動車にも使用できないものかなあと思っていました。自動車を運転していて雨が降り出してワイパーを使いますが、これが結構目障りです。

目の前をワイパーのブレードが行ったり来たり、ちらちらして運転し辛いものです。その点Clear View Screenですと、目の前は常に視界良好です。しかし、現実には私が思っていたのとは逆になりました。いつの頃からか自動車で使われているWindow Wiperが船に採用されるようになりました。Clear View Screenだと窓の一部しか視界が確保できませんが、Window Wiperだと船橋の大きな窓ガラスのほぼ全面の視界を確保できます。

しかし、せっかくWindow Wiperを使っても窓ガラスが汚れていたり、ガラスが曇っていたり、水滴をうまく取りきれなければ意味がありません。そこで活躍するのが自動車でもよく使われているガラスコーティング剤です。「ガラコ(Glaco)」等様々な商品が販売されていますが、これを窓ガラスに塗っておけば、数か月間は窓が雨水を弾いてWindow Wiperが要らないほど視界くっきりです。

ガラスの凸凹をガラスコーティング剤が平らにして雨粒がつぶれずに流れていきます。前方から強風が吹いているときにはWindow Wiperが不要なぐらい雨滴を見事に弾いてくれます。雨天でも視界が大幅に改善され、航行の安全性が高まること間違いなしです。もし、ガラスコーティング剤を使用していない船に乗船した場合は、是非、船用品で注文して入手し、3か月毎程度に船橋窓ガラスに塗布して下さい。今まで以上に航海当直の見張りを少しは安心してできるようになるはずです。

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