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ある人の貴重な思い出を台無しにした私の恥ずかしい失敗

一生忘れることができない私がやってしまった『うっかりミス』の話です。

私は若い頃、コンテナ船のW/O(Watch Officer)として韓国の釜山港へ寄港したことがあります。夕方に仕事が終わり、ソワソワ、ウキウキ、ワクワクと勇んで釜山の街目掛けて一目散で上陸しました。

コンテナ船なので上陸できる時間も短いため、気持ちも焦り気味です。事務室の机の上に置いてあった自分のショアパスを慌てて掴み、大急ぎで上陸しました。そして、釜山の歓楽街を飲み食いして渡り歩き、釜山の夜を満喫してルンルン気分で帰船しました。

すると事務室にしかめっ面をしたボースンが腕を組んで座って私を待っているではありませんか。「3/O、ショアパスを見てみろ!」とボースンは怒った強い口調で言います。何がどうなっているのか状況が飲み込めません。財布に入れておいた自分のショアパスを取り出してよく見てみると、ななっ何と裏側にショアパスがもう一枚ぴったりとくっ付いているではありませんか。そうです、上陸の際に束になった乗組員のショアパスの中から、自分のショアパスとその次ページのボースンのショアパスを一緒に取って上陸してしまったのです。通常、乗組員名簿順にショアパスが発行されるので、私のショアパスの次はボースンのものです。そのボースンの分まで束からはぎ取ってしまっていたのです。

ボースンはその船で定年退職することになっていました。そのため最後の釜山寄港での上陸をすごく楽しみにしていたのに、ショアパスが無いため上陸ができなかったのです。そんなボースンに私はさらに言ってはいけない余計なことを言ってしまいました。「自分のショアパスが無ければ、誰か上陸しない乗組員のショアパスを持って上陸すればよかったじゃないですか。」するとボースンの怒りは頂点に達しました。「何を考えているのだ。他人のショアパスで上陸して税関に見つかって大問題になって、退職金でもパーになったら、お前が責任を取ってくれるのか?」と顔色を変えて私を責め立てます。

まったくボースンの言う通りです。自分の失敗を無かったものにしようと、苦し紛れの安易な発言をしてしまったのです。絶対に言ってはいけないことです。自分の失敗を素直に認めて誠意をもって詫びなければいけませんでした。定年退職するボースンの一生の思い出となるはずの貴重な機会を台無しにしてしまったのです。無様な言い訳を含めて私のこの失敗は非常に恥ずかしい出来事で、今でも決して忘れることができません。

『上陸時のトラブル』の話をもう一つ。Securityの厳しい内地・外地のターミナルでは、外国人船員の上陸時にしばしばトラブルが発生します。上陸した船員が指定バス・タクシーに乗り遅れてしまい、自分で勝手にタクシーをつかまえて乗り込みターミナルゲートで下車するときに日本円がなく、ドルしか持っておらず、タクシーの運転手と揉めるというトラブルです。代理店に迷惑をかけるところで話が収まれば、それほど話は大きくなりませんが、ターミナルや警察等を巻き込んで、迷惑をかけてしまうと大騒動となります。

他にもよくあるトラブルはチケット制でタクシーを利用すべきところを、チケットを利用できないタクシーに乗ってしまい、ゲートまで帰って来て揉めるというトラブルです。日本語が読めないため車体に書かれたタクシー会社の名前がわからないのは仕方ないとしても、タクシーに乗る前に運転手に「このチケットは使えますか?」と確認するのが外国人船員としてのマナーです。

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