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救命設備・消火設備の制限時間いろいろ(その2)

記載内容は執筆当時のものです。最新の情報をご確認ください。

消防員装具の装着

消防員装具(Firemen’s Outfit)の装着時間について、規則上の明確な規定はありませんが、目安とする時間は二人一組で5分以内に装着できることです。

救命胴衣

もちろん私達船員は直ぐに救命胴衣を装着できますが、救命胴衣に慣れていない人の少なくとも75%が1分以内に装着できるものでなければいけません。(LSA Code 2.2.1.5.1)

イマーション・スーツ

イマーション・スーツの装備も義務付けられていますが、イマージョンスーツを取り出して、他の人の手助けなしに2分以内に装着できなければいけません。(LSA Code 2.3.1.1.1)

非常用発電機の燃料

非常用発電機の燃料の必要量は貨物船では18時間以上の運転ができる量です。火災の際は18時間以上、非常用消火ポンプに電力を供給するため、非常用発電機が動き続ける必要があります。その他、汽笛や昼間信号灯にも18時間の給電が必要です。そう言えば、なぜSOLASでは非常時の連続使用可能時間として18時間を要求しているのでしょうか?区切りのいい24時間で良さそうですが、なぜ18時間なのでしょうか?18時間の根拠がわかりません。興味ある人は一度調べてみてください。そこには意外な理由があるのかも知れません。(SOLAS Ⅱ-1, Regulation 43)

固定式ガス検知器

LNG船に搭載している固定式ガス検知器の規定時間は30分以内です。何が30分以内かというと、固定式ガス検知器がカーゴホールドやボイドスペース等各所のサンプリングを順次切換えながら継続監視していますが、そのサンプリングポイントが一周する時間が30分以内であることとIGC Codeで定められています。30分を超えない間隔で複数の適当な場所においてガス漏れがないことを確認できる必要があるのです。(IGC Code 13.6.8)

Dry Chemical消火装置

Dry Chemical Powder Fire Extinguishing Systemの放射時間は45秒以上とIGC Codeに定められています。逆に言えばDry Chemicalによる消火活動は1分間程度しか与えられた時間がないということです。従って、素早く要領良く、消火活動を行う必要があるということです。もたもたしていると消せる火が消えずに大火災になって万事休することになってしまいます。(IGC Code 11.4, MSC 1-CIRC.1315-Rev.1)

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