4原則、錆びささず! 油切らさず! 動かさず! 放置せず!

甲板部の『保守整備作業の秘訣』の話です。甲板整備の4大原則は、「錆びささず」「油切らさず」「動かさず」そして「放置せず」の4つです。

(1) 錆びささず

船体美観維持の点から船体や甲板上に錆びがないことが非常に重要です。しかし、サビフリーを維持するには十分なマンパワーが必要なので決して容易ではありません。発錆に整備作業が追いつかず、錆びの状態が酷い場合には、On Board Maintenance Crewを便乗させて錆び打ち塗装することもあります。最近は各種検査対策として、船体美観維持が非常に重要視されるようになりました。船体や甲板上機器・構造物を綺麗な状態にして検査員や顧客の好印象を得ることがポイントです。船体、甲板上が錆びだらけで汚い船は機器の状態やオペレーションにまで疑いの目が向けられます。そしてトラブルが多いために船体美観を維持する余裕がないと思われてしまいます。従って、綺麗な船体美観を維持するために甲板部の重要な仕事の一つである錆び打ち塗装作業があるのです。

(2) 油切らさず

甲板機器やワイヤー類にはグリースやLO類が多く使用されています。各ワイヤー類へのグリース塗布や作動油/潤滑油の補給・性状確認を行い、油切れによる不具合を発生させないことが重要です。注油器の調整が悪く、Air Motorへの注油量が少ないため、舷梯の動きが悪くなることが多々あります。また、クレーンや救命艇のワイヤーグリースが塗布されないまま放置され発錆が酷くなると切断という最悪の結果となり、非常に危険です。さらにワイヤー製の係船索がグリース塗布不足で多くの素線が錆びてしまい、係留中に切断するという事故もときどき発生しています。また、Windlass、Winchのギアー部やクラッチ部は時々点検して、必要ならばグリースを塗布します。

(3) 動かさず

甲板上には固定している機器や道具がたくさんあります。動いたり、滑ったりして困るものはしっかり固定しておくことです。重量物の固縛や救命艇ラッシングワイヤーが良好な状態であることを確認し、通常、動いてはいけないもの、落下してはいけないものを適切な状態に固定しておくことが重要です。普段、天候の穏やかな航海が続いているときに、突然の荒天で船体動揺が激しくなると、予想外の物が転がって機器損傷というトラブルが発生することがあります。

(4) 放置せず

普段あまり使用しない消火ラインの中間弁、ドラフトゲージの船外弁、ライフボートダビット/クレーンのリミットスイッチや滑車(Sheave)等を定期的に作動確認し、決して放置してはいけません。動くべきものは適切に動くよう、回るものは円滑に回るよう保守管理することが重要です。最近、乗船した船で長期間Windlassを使用しないで、整備・作動テストもせずに放置していた船がありました。Windlassのブレーキ部やクラッチ部が錆で固着し、おまけに油漏れです。まともに錨を降ろすことができません。また、別の船ではウォータースプレーラインのほとんどの中間弁が固着しており、シャットできない状態で、おまけに消火ラインのIsolating Valveも固着して閉めることができませんでした。長期間使用しない機器も適当な間隔で定期的に作動テストを行い、固着させないように整備・点検する必要があります。


以上の4つのポイントが甲板部作業の基本ですので頭に入れておいて下さい。逆に言うと、甲板上の構造物・機器が①錆だらけの状態、②油切れした状態、③固縛していない状態、④固着して動かない状態という4状態を決して許すなということになります。

 

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