ここからは、まだ、「よもやま話」として満開に咲いていない話、いわゆる「五分咲きの話」等を紹介します。
“花見”
これから紹介する「よもやま話」は五分咲きですが、日本を代表する花は何でしょうか?誰もが認めるところでしょうが、やはり日本の花と言えば「桜」ではないでしょうか。会社でも4月初旬の桜が満開になる時期に花見をする人が多いはずです。東京には皇居周辺や上野公園など、桜の名所がたくさんあり、桜が開花する時期はまだ少し肌寒い風が吹き、夜はかなり冷え込むことが多いのですが、陸上の人達はここぞとばかり、日頃のストレス発散のためにテンション全開で花見を大いに楽しんでいました。
“陸上勤務”
陸上勤務を経験したことがない若手航海士が会社へ出向いたときには、かなり緊張するはずです。なにせ、何百人もの人が働いている大手船会社では、背広を着て精悍な顔つきをした人達がきびきびと働いており、どんなセクションでどんな人が働いているかまったく理解できず、目に見えない威圧感で組織に押しつぶされそうな恐怖を感じる人もいるのではないでしょうか。きりりとした端正な容姿の男性、女性がさっそうと歩いていたり、机に向かって黙々と仕事をしているので若い航海士はさぞ圧倒されることでしょう。
しかし、相手の立場を理解し、組織の中身を知れば、何にも怖くありません。私達と同じ社員・仲間が働いているだけです。職場が船と会社と違えども、サラリーマンとして給料に見合う労働を提供するプロフェッショナルな社会人には違いはありません。
会社という組織は数年に一回や二回、必ずと言っていいほど組織改編があります。まるで経営陣が交代し、車のイメージチェンジ・モデルチェンジのごとく、あるいは甲殻類のカニが脱皮するかのごとく、組織名が変わったり、その機構を微妙に変えたりします。皆さんも早く陸上勤務をして会社の組織全体を理解し、組織を恐れない立派でたくましい航海士になって下さい。皆さんには船という舞台と陸という舞台の2か所で活躍するチャンスが与えられているのです。普通のサラリーマンよりもやり甲斐があること間違いなし。
“流れ星”
航海中の月の出ていない晴れた夜空は満点の星空です。陸上では絶対に見られないほど無数の星を見ることができます。そして、当直中にしばらく夜空を眺めていると、必ずと言っていいほど流れ星を見ることができるのです。陸にいては、簡単に見ることができない流れ星も海上では見ようと思えば毎日のように見ることができるのです。よく流れ星に願い事を3回唱えると、その願いは叶うと言いますが、あっという間に消えてしまう流れ星に願い事を3回も唱えることはできません。流れ星が消えてしまう前に願えるのは、せいぜい「かね(金)、かね(金)、かね(金)」ぐらいかも知れません。あるいは「こい(恋)、こい(恋)、こい(恋)」でしょうか・・・・・