“労災”
労災とは「労働者災害補償保険」の略で、労働者が職務中又は通勤中に怪我や病気をした場合に適用される保険です。労災は健康保険とは異なり、治療費は全額保険適用で無料となります。但し、通常は病院で一旦、治療費の全額を自分で支払っておき、後で全額が返金されることになります。さらに、仕事を休んでいても給料の6割(休業補償給付)+2割(休業特別支給金)が保証される保険制度です。よく問題となるのが船員の下船時の保険適用についてです。
船員が下船して真っすぐ家に帰る途中に万一怪我をした場合は労災適用になるでしょうが、帰宅途中に観光旅行等の道草をして怪我や病気になっても労災適用にはなりません。ですから、原則として下船したら真っすぐ家に帰るべきであり、途中で遊んでから家に帰る人は労災の権利を放棄する覚悟をして遊ばなければいけません。
また、労災は個人にとってはいざと言うときに有り難い制度ですが、会社にとっては手続きが面倒であり、何より会社の立場としては災害が発生したことを公表することをできるだけ避けたいという意識が働き、労災適用に後ろ向きです。
“チェックするタイプ、しないタイプ”
あなたの配偶者はどっちのタイプですか?あなたの給与明細をしっかりチェックするタイプ?それとも、給与明細などまったく興味がなく、給与を黙って受け取るタイプ?もちろん、あなたとしては配偶者が感謝の気持ちで黙って生活費を受け取ってくれるに越したことはありません。しかし、生活費を毎月当たり前のようにたくさんもらえると思っている配偶者では・・・・・。
船員の給与は乗船中と休暇中では手取り額に大きな差があり、非常に不安定です。乗船中と休暇中の給与に差があるのはもちろんのこと、航海日当、諸手当、休暇買い上げ、船内諸立替等で乗船中の毎月の給与でさえ、かなりの差が生じるのです。船員の変則的な生活を受け入れ、給与を黙って受け取る配偶者が理想的であると思うのは私だけでしょうか・・・
“活線”
「活線(かっせん)」という言葉を聞いたことがありますか?部品を修理するときに電源を切らずに行う必要があるとき「活線で修理する」と言います。「活線挿抜」と言う言葉もあります。英語で「Hot Swap」と言い、スイッチを切らずに抜き差しして部品を交換することです。スイッチを切らないということは、電線に電圧がかかった状態です。その状態のことを「活線」と言うのです。主に低電圧の基板は活線で取り換えることが多いのです。もちろん活線状態の部品を触るときには感電防止対策も必要となります。
基板等の低電圧では活線で作業を行うことができますが、高電圧ではそうはいきません。家庭用電圧は100/110Vですが、船では高電圧を取り扱うこともあります。6000Vの高電圧の機器を搭載している船もあるぐらいで、その場合取り扱う機関士は特別な講習を受けて証書を所持している必要があります。航海関係で取り扱う高電圧と言えば、3/O担当のAir Compressorがあります。呼吸具や救命艇のAir Bottleの補充用コンプレッサーです。通常コンプレッサーは440Vを使用しており、専用のコンセントを接続して利用します。船によってコンセントの位置が異なるので、乗船してからコンセント位置も前任者より確実に引き継ぎましょう。