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電話で話すときは、周囲の人にも聞こえる大きな声で

電話や無線機を使って『返事をするときの声』の話です。

電話で話しをするときにただ「ハイ」や「Yes」の返事だけで済ませていませんか?電話といえどもいわゆる復唱(アンサーバック)をした方が良いでしょう。大事な用件については、言い間違いや聞き間違いをなくし、会話の内容を確認するために復唱すべきです。復唱の重要さはそれだけではありません。

周囲に人がいるならば、会話の内容を横で聴いている人にもある程度理解できるように、要点を声にだして復唱するのです。そうすれば、周囲の人にもある程度の内容がわかり、電話を終えた後の説明が楽になるはずです。そこまで気配りできるような電話対応をして下さい。

若いときには自信が無かったり、会話の内容を完全に理解できなかったり、周りに遠慮したりしてついつい小声になりがちです。トランシーバーや電話で聞こえてくる若手航海士の声が小さくて、元気がなくて、自信なさげでは、船長も不安で心配になります。まったく遠慮することはありません。失敗を恐れず、恥をかくつもりで気合のこもった大きな声で話すよう心掛けましょう。船長やC/Oは、元気で自信にみなぎった声で話す後輩を頼もしく思うものです。例えそれが間違っていても決して咎める船長はいないはずです。

練習船でも習ったはずですが、アンサーバックは船員仲間の意思伝達確認の基本です。入出港作業時や荷役作業時にトランシーバーで連絡を取り合うときには、必ずアンサーバックをするはずです。相手の指示を復唱することにより自分と相手の両方で誤解のないようダブルチェックしているのです。

VHF等無線通信での復唱は3回の繰り返しが基本です。「訓練・訓練・訓練」、「Security・Security・Security」と3回繰り返します。実際にVHFでの呼び出しに3回復唱するのは大変なので、2回程度で済ましているでしょうが、従来は3回が正式な反複数です。ちなみに、全然関係ない話ですが、人を訪ねてドアをノックするときの回数は3回ではありません。

正式には4回です。トントン・トントンと4回叩くのが正式なノックの仕方だそうです。VHFと言えば、皆さんは英語で会話するときに標準英語を意識的に使っていますか?IMOが「SMCP (Standard Marine Communication Phrases)」を発行しており、船員はこれに基づく英語を使用して通信等を行うことになっています。しかし、実際には自分が慣れ親しんだ使いやすい英語を使っているのが現状です。

私達が日常よく使う「OK」の意味はもちろん、「よろしい、はい」です。ではその語源を知っていますか?辞書によると、「語句をわざと誤ったつづりで書いてその頭文字を使う言葉遊びで”All Correct”を”Oll Korrect“としたころから生まれた。」という説と「1840年の大統領選挙に出馬した民主党候補のニックネームOld Kinderhookの頭文字をとった後援会のO.K. Clubから取った。」という二つの説があります。

ちなみに豪州では俗語として「OK」のことを「オキドキ(Oki Doki)」と言います。さらに、豪州では「了解」のことを「ラジャー(Roger)」とは言わずに「ロミオ(Romeo)」と言うことが多いようです。Rogerの”R”をSpellingして「Romeo」と呼ぶのでしょう。一方、外国語ドラマや映画で良く耳にする言葉で「Copy」があります。アメリカ人はこの言葉を好んで使うようで「Copy on that」と格好よく言います。実は私も格好をつける訳ではありませんが、数年前からは「Roger」でなく「Copy」を意識的に使うようにしています。「Copy that !」(了解)

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