消防員装具にはあって、安全装具にはないものって何?

『非常時に私達船員の命を守るための用具』の話です。

「消防員装具(Fire-fighter’s Outfit)」はSOLASにより規定されており、どの船種でも搭載されているので皆さんも良く知っていると思います。では「安全装具(Safety Equipment)」や「保護具(Protective Equipment)」についても知っていますか?タンカーやLNG船、LPG船では必ず搭載されている用具です。

「消防員装具」はまさに火災発生時に消火活動に従事するときに着用する用具です。火に近づいて消火作業する乗組員の命を守ります。一方、「安全装具」は危険区域に立ち入り作業するときに使用する用具で、結果的には殆どが消防員装具と同じものになりますが、消防員装具で必要な手斧は不要です。

「保護具」はIGC Codeや船員労働安全衛生規則(労安則)にも規定されており、荷役作業等で作業員を守るために使用し、例えば、ケミカルや極低温の液体が直接肌や目に触れないようにするために使用します。備えるべき数は荷役作業に同時に従事する作業員数分が必要です。

これら3種類の具体的な用具を比較すると以下の通りです。

消防員装具
(Fire-fireter’s Outfit)
安全装具
(Safety Equipments)
保護具
(Protective Equipments)
 自蔵式空気呼吸具
(呼吸具又はホースマスク)
 自蔵式空気呼吸具  自蔵式呼吸具*
 命綱  命綱  命綱*、安全ベルト*
 防護服  保護衣  保護衣
 長靴、手袋  長靴、手袋  長靴、手袋
ヘルメット  保護帽*
 保護眼鏡  保護眼鏡
 安全灯  安全灯
 消防斧

参照
消防員装具:SOLAS第3章 船舶消防設備規則
安全装具:危険物船舶運送及び貯蔵規則
保護具:危険物船舶運送及び貯蔵規則(表中*は労安則で規定)

ところで、救命艇(Life Boat)と救助艇(Rescue Boat)の違いは何でしょうか?皆さんもよく知っているように、殆どの船では救命艇と救助艇が兼用となっており、右舷側の1号艇が救助艇として扱われているのではないでしょうか。そのため右舷の1号艇のウィンチの巻揚げ速度は2号艇よりかなり早くなっていることを皆さんも知っていると思います。

ある船では救命艇と別に専用の救助艇(上写真)を搭載している船もありました。救助艇は文字通り救助活動に使用するボートのため、救命艇よりも明らかにコンパクトで操縦性が良さそうな小型艇です。全閉型ではなく、まるでゴムボートのようです。もう一つ救命艇と救助艇の違いがありますが、何でしょうか?エンジンの要件として航走距離が異なります。救命艇は6ノット以上で24時間以上航走可能が要件ですが、救助艇は6ノット以上で4時間以上の航走可能と、救命艇の3分の1の距離です。

 

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